おじさんは薬湯がお好き

2019年5月30日(木)訪問

 

 天井が高い銭湯はそれだけでパラダイス。湯船にゆったりと浸かり、高い天井を見上げリラックスするひと時がたまりません。昔ながらの天井が高い浴室がある銭湯、家風呂との圧倒的な違いがこの開放感なのではないでしょうか。

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西早稲田の「金泉湯」さん。2019年5月30日(木)の夕方撮影。


 高田馬場駅からも早稲田駅からも徒歩で10分以上はかかる、ちょっと交通の便が悪い立地。西早稲田の「金泉湯」さんは、早稲田通りを早稲田から高田馬場方面に向かい、子育て地蔵尊の手前の角を左に曲がった先にあります。入り口の屋根は寺社風のアレだけど、中に入るとフロントタイプの受付。靴箱に靴を入れ(キーは自分管理)、湯銭を払って入場、そこにはロビーのようなちょっとした休憩場があります。脱衣所はそこそこの広さ、しかし天井がかなり高く縦に突き抜けた空間になっています。ちなみにロッカーのキーも自己管理方式です。

 浴室入ってすぐの左壁にカランの列が5人分(1つを除いて左右の仕切りがあるタイプ)、目の前中央に対面型の列が6人分×2列、右手に同じく対面型の列が5人分×2列、計27人分のカランが備え付けられています。洗い場の奥の正面がメインの大浴槽になっており、左から底から気泡が出る湯、視力検査で使う欠けた円形の中での全身マッサージ湯、座式マッサージ湯が並んで2人分、ジェットマッサージ湯と続きます。これらは下方で湯が循環しているタイプで湯温は42~43度くらいかな。一番右の浴槽が水風呂になっていました(水風呂があるけどサウナはなし)。さらに浴室に入って洗い場の手前を右奥に行くと岩風呂があり、露天ではないものの透明なガラスで仕切られた外に和風庭園があり、ちょっとは風流を感じさせる造りになってます。ちなみに岩風呂はラベンダーの薬湯だそうで、湯温は大浴槽に比べ低めでした(40度前後か)。浴室の正面の壁には小さなタイル画(タイルで絵を描いたものではなく、タイルそのものに絵が描かれているタイプ)。水辺にいる脚の長い鳥(サギ?)がモノクロで描かれた、ちょっと物悲しい感じの絵です。洗面器はケロリンタイプの文字なしでした。

 訪問した際のお客さんの年齢層は20代から70代。60歳前後がメインのようです。薬湯が人気のようで、3人も入れば窮屈な岩風呂に、常時2~3人のおじさんがゆったりと浸かっております。湯温が低めなので長いこと入っていられるみたい。じっくり時間をかけて薬効成分を存分に吸収しておられるようです。洗い場も脱衣所もとにかく天井が高いのがいい。夏場も蒸さずに入湯できそうです。

 

#金泉湯 #東京都 #新宿区 #西早稲田

 

◎金泉湯(きんせんゆ)

住所○東京都新宿区西早稲田2-16-20

営業時間○14時30分~24時

定休日○毎週月曜日

身体を洗い湯に浸かる

2019年5月27日(月)訪問

 

 昭和ノスタルジーのイコンとしての銭湯、素敵な設備が整った昨今流行りのデザイナーズ銭湯。それらももちろん大好きですが、普段使いの銭湯とでも言えばいいんでしょうか。一日の疲れと汚れを落とし、大きな湯船でリラックスする日常的な空間としてのごくごく普通の銭湯にほっとしません? 新宿区早稲田鶴巻町にある「鶴巻湯」さんはそんな身近なお風呂屋さんです。

 東西線早稲田駅から徒歩3~4分ほど、住宅と町工場が混在する早稲田鶴巻町にあるマンション銭湯が「鶴巻湯」さん。マンションの1階が銭湯とコインランドリーになっており、暖簾をくぐってすぐ左手がフロント、その左奥が男湯、右奥が女湯の入り口になっています。靴箱のキーも脱衣所のロッカーキーも来湯者が個人管理するシステム。脱衣所はそんなに広くはないです。

 洗い場は比較的新しい感じで清潔。壁はタイル張りで特に壁画らしい絵はなしです。カランは全部で18席分、うち1席がなぜか左右をパネルで目隠しされた特別席(?)。特別席の左側にはシャワーブースが2つあります。浴槽は大きく2つに仕切られていますが、仕切りの下の方が繋がっており、お湯は全部一緒です。左側が普通の湯と下から泡が出てくる気泡湯、右側がマッサージ付きの座風呂(2人分)になっています。このマッサージ風呂の水流の角度が個人的にはぴったりで、気持ちいい箇所をグイグイ刺激してくれます。湯温は45度くらいでちょっと熱めでしょうか。サウナはありません。洗面器はケロリンタイプの文字なし、風呂椅子は大きめの座位置が高いタイプで使いやすいです。どちらもカランの前にはじめから設置済みで、使った後は洗面器を裏返して水分を切っておくのがマナーかと。

 特筆すべき設備はないし、サウナもないけれど、訪問時は常時7~8人の入浴者がいてそこそこ繁昌している模様。皆さん、シャンプーや石鹸をたっぷり泡立てて頭や身体をゴシゴシ洗い、鏡に顔を近づけてていねいにヒゲを当たっています。どこかストイックさも感じるその光景は、地道な生活者の実直な営みというものを感じさせてくれます。さっぱりした後は、湯船でゆったり足を伸ばしてホッと一息。日常の至福がそこにあります。客層は20代から80代まで満遍なく、メインは60代かな?

 

#鶴巻湯 #東京都 #新宿区 #早稲田鶴巻町

 

◎鶴巻湯(つるまきゆ)

住所○東京都新宿区早稲田鶴巻町533

営業時間○15時~23時

定休日○毎週火・土曜日

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新宿区早稲田鶴巻町の「鶴巻湯」さん。5月24日(金)撮影。

 

平成最後の銭湯入浴

2019年4月30日(火)訪問

 

 明日5月1日から元号が平成から令和に変わる。とくに感慨はないんですが、テレビをつけると各局それぞれ盛り上がっているみたい。夕食をすまし、家を出たのは20時過ぎ。外は傘をさすほどではないけど、ポツリポツリと小雨が降ってます。遠出するのも億劫なので、歩いていけるご近所の銭湯に向かう。新宿区は西早稲田にある「松の湯」さん。

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夜の松の湯。2019年4月30日(火)撮影。


 東京メトロ東西線早稲田駅からは徒歩5分ほどでしょうか、早稲田通りを高田馬場方面に向け坂道をまっすぐ進むと西早稲田の交差点が見えます。そのちょっと手前に目指す銭湯「松の湯」さん。入り口から半階分ほどの階段を昇ると靴箱、そして自動ドアのロビー入場口があります。ロビーには大画面のテレビ、大きなソファなどがあり、入浴後ちょっとした休憩ができるようになっています。フロント式の受付で料金を払い、脱衣所へ。靴箱も脱衣ロッカーも鍵は自分で管理するシステム。 

 浴室に入ると目の前に洗い場のカランが広がります。全部で23人分。入ってすぐ左手に立ちシャワーが2基あります。洗面器(ケロリン)と風呂椅子を各自でピックアップして使用するスタイル。洗い場を抜けると浴槽。左から深めの泡風呂(下から泡が出るタイプ)、マッサージ風呂、座風呂が2人分、また泡風呂(こちらはやや浅め)。これらはすべて下の方で繋がっているようです。湯温は43度くらいか? 珍しいのは浴室に入って右奥に2人分の打たせ湯があること。なかなか気持ちがいいが、湯温は4142度くらいとちょっと低め。その打たせ湯の手前に水風呂、水風呂の手前のドア奥にサウナが。壁絵はタイルで描かれた丹頂鶴。色も綺麗で結構迫力があります。

 伺った際には1015人が洗い場にいて、そこそこ繁昌しているご様子。客の年齢層は20代から70代超えまで満遍ない感じ。特筆すべきはハタチそこそこの学生風が物凄く多いこと。早大が近いせいだと思うのですが、56人でつるんで来るグループもいて、時間帯によってはほぼ7割が若者という状況も珍しくないです(以前はそうでもなかったけど、最近ホント多い)。

 

◎松の湯(まつのゆ)

住所○東京都新宿区西早稲田1-4-12

営業時間○15時~25

定休日○毎週月曜日